勝ちたい

「負けるのが怖い」
私はこの気持ちを最近初めて知りました。今もずっと頭を離れません。

今年のチームの中で私たち4年生は唯一、福井県立大学に負けて北陸リーグで優勝できなかった経験があります。その悔しさがわかるからこそできることがあると言われることが何度もありました。しかし、私にはそれがずっと理解できませんでした。それはきっと、本当の意味で戦って、本当の意味で負けていなかったからです。

入部当初は「一生懸命な選手をそばでサポートできるマネージャーってなんて素敵な役割なんだろう」と思っていました。グラウンドでその日の自分の役割を実行し、目に入ったできそうなことをやってみて「ありがとう」「気が利くね」と言われることに喜びを感じていました。今振り返ってみると、お手伝いさんのような存在だったと思いますし、本質を捉えていない上辺の喜びでした。

しかし今は違います。マネージャーもチームの一員として、重要な役割があると思っています。“自分もチームを変えられる“、そう思ったとき、私は初めてチームの一員になった気がしました。目の前にある課題をただ解決するだけではなく、「勝つためには」「勝ちにふさわしいチームをつくるためには」という視点から、自分にできること、マネージャーユニットでできることを探し、実行してきました。私だけでなく、マネージャー8人が全員この視点を持って活動してきました。

私たちマネージャーの業務は今やグラウンドのみにとどまりません。少しでも選手の時間をつくれるようにと始めたスカウティング業務、より多くの方に応援されるチームをつくるための広報活動など、グラウンドにいない時間も私たちのフィールドで戦っています。選手は練習時間外でも筋トレやスカウティングをしているのにマネージャーは何もしていないという引け目はありません。マネージャーは試合のフィールドには立たない一つのポジションです。

試合当日、マネージャーは点を取ることはできません。どれだけ勝ちたいと思っても、勝ちに直結する何かをできるわけではありません。でも、それが出来る選手たちを送り出す準備はやり尽くしました。今までやってきたことを信じて、選手を信じて、私たちマネージャーもサイドラインで共に闘います。

MGR#083(主務/MGRリーダー)

浜谷 和希(写真左)