自分の芯

新入生の皆さん、こんにちは。最近は、家の中にいる時間が多く、どんな大学生活にしようかなと考えている方も多いことでしょう。去年の今頃の僕は、やりたいことも特に決まっていなかったので、色んな人にどうしてそれをしているのですかとか、それをしていて良かったですかと、聞いていました。きっと、僕みたいな新入生もいるかもしれないので、僕がなぜ今この部活動にいるのかを書きたいと思います。

自分が大学で部活動をしようと思った一番の理由は、「自分の芯になるもの」が欲しかったからです。4年後自分が社会に出た時に、やりたいことがなく、ふらふらと人の言われたことだけをやるのは嫌だと思っていました。そこで、4年間モチベーションを持って続けられそうで、自分の足りないところと向き合い、将来やりたい事のきっかけが見つけられそうなアメフト部に入部することを決めました。

最初はこのように意気込んで部活動を始めましたが、すぐに自分にはアメフトの適性がないことに気付きました。人に当たる恐怖心、相手との圧倒的な体格差。元々の「ビビリ」な気質もアメフトでは特に影響されました。

しかし、アメフトは辞められませんでした。なぜなら、「出来ないと思っていたことが出来るようになった成功体験が欲しい」という思いがあったからです。これまで、なにかこれをしたい、と思うものがあっても、一度、自分には出来ないなと思うと、自然とモチベーションが落ちてしまい、無意識のうちに自分の出来る事、やりたい事を狭めてしまうことが多くありました。だから、才能がないから無理だ、と思ったことを諦めずに乗り越える経験によって、これからの自分に自信が欲しいと思いました。

ですが、綺麗事だけ並べても現実は上手くいきません。「ビビり」の気質はすぐに克服することはできませんでした。怪我の影響もあって、モチベーションは落ちていきました。このまま、このチームにいても、自分にもみんなにも良い影響は与えないのではないか、とも思いました。

しかし、この考えはなくなりました。昨シーズンの北陸リーグ最終戦。7-14で福井県立大学の勝利。試合の後、同期、先輩が声を出して泣いている。自分はこの日の為にチームのために何か貢献できたわけでもないので、悔しいとか悲しいという感情よりも、「次のシーズンこそ」という気持ちのほうが大きかったと思います。試合後の雰囲気の中で、自分も仲間と本気で一つのものを目指してみたい、自分が求めていたものはこれかもしれない、これを経験してみたい、と周りとは違った感情を持ちました。「アメフトをやる意味」を見出せた瞬間でした。

あれから、もう半年が経ち色々考えることはありますが、まだこのチームに貢献できていないし、自分自身も確かな大きなものは得られていません。将来のことはまだ定まっていませんが、アメフト部での活動は自分を成長させるいい機会だと感じるので、成功するための物事への取り組み方や、自分のコントロールの仕方、他人との協力の仕方なども、残りの3年間で学んでいこうと思います。

※この写真は活動自粛期間前に撮影したものです。

WR/LB#30 山本耕大(写真右)